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境界閾 コンセプトモデル ver1
光や音、風や香り、熱や素材が通り過ぎたりぶつかりあったりする感受性豊かな場所。
感受性豊かな五感を束ねる場所に生きるための建築の提案です。
家族や隣人、客人など、みんなで共有して過ごす場所を、外部環境と大きく繋がった窓際の「境界閾」部分に配置し、寝室や倉庫などプライベートな場所を開口部を絞った四隅に配置しています。
近代建築は技術の発達により大開口をもった建築表現を手に入れました。それは建築に開放感を与え、建物の内外の境界を曖昧に することを可能にしましたが、一方で麻痺した自然をつくる結果をも招きました。建物の中にいる人は大きなガラスの開口部からの 光や景色などを見るだけで満足するようになり、機械制御され温熱・風光環境の変化の少ない部屋の中から自然を眺めるようになりました。そこでは自然の風の音、熱や香りなどは感じることができず、ガラスで区切られた先の景色は写真のように切り取られ時が止 まってしまったもののようです。それを私は麻痺した自然と呼んでいます。
境界閾建築とは、五感を束ねる豊かな建築の境界線上に着目し、部屋の中から眺める麻痺した自然ではなく、今一度生きた生活を考 える建築を提案しています。
窓を挟んで建築の内外をまたいでつくられた場所は、時間、季節、気分に合わせて自分なりの居場所を調節することができます。日陰 や日向、風の向きを感じ、景色を眺め時間を過ごします。環境の変化のない空間の中では人の感情の変化もまた無くなってしまいま す。感情を適度に刺激し、心も体も活性化した状態で生きるためには、建築もまた生きた場所で過ごす必要があると思います。日々、自分の居場所を考えるながら送る生活は、自分と自然との距離と境界を意識する楽しみのある生活となります。
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